影響力
こんにちは、Base-Upの鈴木翔です。
今回は、6つの領域の1つである影響力についてご紹介します。
影響力とは
他者に対し与えていく方向のリーダーシップ力を、Base-Upでは『影響力』としています。どんな仕事も人と人が関わりあいながら進めていくため、私たち1人1人は必ず誰かに対して影響力を発揮しています。もちろん悪い影響を与えようとする人は少ないでしょうが、自分が他者に対してどのような影響力を発揮しているのか、それがいい方向に進むものなのか、悪い方向に進むものなのか、またはどのような影響力を発揮「したい」のか、考えなくてはいけないでしょう。
チームの生産性に与える影響力とは
チームを組んだ時、生産性が向上するか、逆に低下するかは、チームメンバーがお互いに対してどのような影響を与えているかに掛かっています。集団心理学によると、現実の生産性はチームの潜在的な生産性から、集団による生産性の損失と、集団による生産性の獲得の総和であるそうです。特に集団による生産性の損失は大きく、もっとも有名なのは『社会的手抜き』と言われる、リンゲルマン効果が挙げられます。リンゲルマン効果とは、人数が増えるにつれて1人当たりの生産性が減少するという効果です。綱引きで例えると、1人で引っ張った場合に比べ、2人で引っ張った場合1人当たり93%、8人になるとなんと1人当たり49%と、半分の力も発揮しないというのが知見として得られています。もちろんこれはチームの取り組む課題によりますが、どのような課題に取り組むにしてもこのような損失は存在し、それを上回るプラスの影響をメンバー相互に与えなければ、計算上では1人でやったほうがよい、という悲しい結果になってしまいます。チームを組んだからこその素晴らしい結果を得ていくためにも、私たち1人1人がお互いに与え合う影響力を考えていく必要がありますね。
影響力をどう考えていくか
影響力を分類する際に、まずは「人」という存在を捉える枠組みをもっておくとよいでしょう。
例えば
- 思考/感情/行動
- 過去/現在/未来
- 肉体的側面/精神的側面/社会的側面
- WHAT/HOW/WHY
- Plan/Do/Check/Action
等、さまざまな枠組みが考えられます。
こういった場面を想像してみてください。ある営業会議において、営業の数字が思わしくないメンバーに対し部長が
「なんでこんなに数字が低いの?なんでやらないの?」
みたいに言ってきたら、言われたメンバーはどうなるでしょうか?
部長がそのメンバーに対して発揮した影響力は、思考面では原因を突き止めていく方向に進み、行動面では発破を掛けて行動力を上げていく方向に進むと考えられます。ですが、感情面では多くの場合、傷ついてしまって足が止まってしまうのではないでしょうか。結局総合的に見て、「そりゃ数字を上げたいし頑張りたいけど、そんな言われかたしたらやる気なくなるわ」というように思わせる影響を、部長はメンバーに与えたことになります。
ただ単純に「影響力を発揮しよう」と思いついたように行動するのではなく、いくつか考えられる枠組みを持っておいて、多面的に考えながら行動を取捨選択することが、まずは良い影響力を発揮する第一歩なのかもしれませんね。