豊かで充実感のある人生を設計する上で意識する、WPSの3つの観点

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満員電車に乗っていると、どこか閉塞感の漂う表情をしている人が多いと感じます。もちろん満員電車が大好き!という方は少ないかと思いますので、いやだなーという表情をしてしまうのは仕方がないですね。

その一方で、街を歩いていると、とても豊かな笑顔で充実感溢れる人もいます。そういう人は、男性でも女性でもとてもキラキラして美しく見えますね。

よく言われることなので”耳だこ”かもしれませんが、一回きりの人生をどのようにデザインするかは私たち次第です。充実感の溢れる人生にするのも、閉塞感の漂う人生にするのも、私たちがどのように人生に向き合うかで決まってきます。

それでは、どのように人生を設計していくと良いのでしょうか?今回はそのことについて触れようと思います。

WPSの3つの観点

さて、人生設計をする上で、下記の3つの観点があるのは、みなさん納得されるかと思います。

  1. Performance(能力)・・・何ができるか?
  2. Sought(社会の要求)・・・何が求められているのか?
  3. Wants(願望)・・・どうなりたいか?

この3つの観点の掛け算により、ご自身のビジョンが決まってきます。図にすると3つの円の重なり合った部分ですね。そのため、それぞれの観点を明確にするプロセスが必要になります。ここでは、それぞれ頭文字をとって、WPSと呼ぶことにします。

Performance・・・今現在のあなたの能力

Performance・・・今現在のあなたの能力

Performanceとは、今現在のあなたの能力のことです。

能力といっても、スキルや知識のことだけではありません。スポーツ選手で言えば「心・技・体」の全てが揃って初めて一流と言われるように、社会人にとってのPerformanceは

  • Mind:考え方
  • Skill:スキル、知識
  • Wellness:心身の健康
  • Network:人脈

で表せます。みなさんは、どこをどのくらい高めていますか?また意識しているのでしょうか?この4つの要素は掛け算なので、例えばSkilとWellnessを一生懸命高めたとしても、ネガティブで人の欠点ばかり見るようなMindを持っていると台無しです。また自己鍛錬ばかり勤しんでいて、人とのつながりを軽視していると、いざというときに一緒に仕事する仲間がいないという状態になってしまいます。この4つとも、バランスよく高めていくことが必要ですね。

Sought・・・求められている人財

Soughtとは、社会や企業から求められている人物像のことです。

昨今、「人生100年時代」とか「VUCA」の時代だとか、毎日のように新聞やニュースで騒がれています。それぞれについては、また別の記事で書きますが、昔は60歳で定年だったのが、今の20代の若手が60歳になるころには定年は80歳に、極端な意見では90歳に引き上げられるとも言われています。

さらに、今勤めている会社が明日、倒産してなくなったということも、絶対に起こらないとは言い切れません。2008年に世界的に大きな影響を与えた「リーマンショック」は、実際に働いている社員は、倒産するまで自分の勤めている会社が危ないということに気がつかなかったと言われています。

そのような中で、経済産業省は「社会人基礎力」を提唱したり、ATC21sという国際団体は「21世紀型スキル」というものを提唱し、これからの時代に社会人が身につけるべき能力のガイドラインを示しています。

Want・・・実現したい未来像

Wantとは、私たち1人1人が実現したいと望んでいる未来像のことです。

今の自分のPerformanceで、自分の行き先を決めるのも悪くはありません。例えば、料理が好きだから料理人、服が好きだからアパレル業界、電気工学を勉強してきたからエンジニア・・・。またSoughtから自分の方向性を決めるという方もいるでしょう。AI産業が賑わってるからAIエンジニアになろう、

ただ、もしそのように決めた未来が、自分の望むことではなかったとしたら、おそらく長続きはしないのではないでしょうか?続いたとしても、幸福感は得られないでしょうし、満足感・充実感に乏しい人生になってしまうかもしれません。Wantに従って生きていく道は、心から望んでいることを実現することなので、幸福感・満足感・充実感を得られる日々を送れます。

ただし、私たちの受けてきた教育は、Wantに従って生きていくことは教えられず、Performanceを高めていくことと、Soughtは何かを教えてもらってきました。なので、「どうなりたいか?と言われても思い浮かばない」という方も多くいると思います。

自分のWantを見つめなおすのは、日々の習慣です。普段からやっている方はどんどん出てきますし、普段そういうことを考えないと、いざという時に自分の価値観や軸で物事を選べなくなります。ぜひ、そういう習慣を身につけていただきたいです。

WPSの重なり合うところをビジョンとして生きる

さて、この3つの観点を図にした時に、その重なり合う部分が人生においてもっともパワフルに機能するビジョンになります。

  • Want:周りの人の日々の生活の幸せに貢献したい
  • Performance:自分は料理が得意だ
  • Sought:健康に良い食生活が求められている

というWPSを持っている方は、「私は料理を通して周りの人の健康的な食生活の改善に貢献する」というビジョンを描くかもしれません。もっと明確にしていくためには細かく見ていく必要がありますが、まずはこのようなプロセスで、ご自身のビジョンを形作ってみてはいかがでしょうか?

まずはPerformanceを大きくする

WPSの重なり合うところをビジョンとすると良い、と書きましたが、このなかでSoughtに関しては社会からの要求なので私たちの管理下にはありません。また、Wantも明確にする努力は可能ですが、考え続けているとある時パッと見えるものなので、100%管理下にあるとは言えません。

100%管理下にあるものは、Performanceです。能力開発は、日々の繰り返し学習、鍛錬や修練によって大きく伸ばすことができます。逆に、そういう努力なしに能力開発はできません。

Wantばかり大きくて、Performanceの向上のためには何も日々やってない、という方もいますが、やはりご自身のWantを実現するにはPerformanceの円は大きい方がいいです。現在学生や若手社会人のみなさんは、ご自身のWantに耳を傾けながら、Performanceの向上に打ち込んでいただきたいです。