状況認識

状況認識

こんにちは、Base-Upの津城です。

今回は、6つの領域の1つである状況認識をご紹介します。

状況認識とは

Base-Upでは、状況認識とは”現状への情報収集と分析である”と捉えています。

ここでは、人間関係以外を指し、事象や物事を対象としています。

仕事の中では、この状況認識のスキルは常に求められています。

例えば、電車の車掌という仕事であれば、出発時間や遅延状況、飛び込み乗車しそうな乗客、そういった状況を瞬時に把握し、ドアの開閉を決定し、出発の合図をしなければなりません。

そして、数分後には全くの別の状況が現れ、状況に応じた判断が求められます。

この状況認識は、電車の車掌だけでなく、エンジニアや営業、事務職に至るまで全ての社会人に必要なスキルとなってきました。

このように、仕事を進める上で現状の情報を収集し、分析するスキルを”状況認識”であるとBase-Upでは再定義しています。

なぜ、状況認識が必要なのか?

近年、「VUCAの時代」が到来したと言われています。

VUCAとは

  • ・Volatility(変動性)
  • ・Uncertainty(不確実性)
  • ・Complexity(複雑性)
  • ・Ambiguity(曖昧性)

の頭文字をとって作られた言葉です。

つまり、「未来を予測できない時代」と言い換えることができます。

「未来を予想できない時代」だからこそ、今までの通り、経営者一人がリーダーシップを発揮し、トップダウン形式でマネジメントするのではなく、個々人が現場でリーダーシップを発揮することが求められています。

上司からの指示待ちで動くのではなく、自分からまず観察し、よく理解した上で仮説を立てて、実際に決定し実行していく。その最初の段階に当たるのが、”状況認識”のスキルであり、これからリーダーシップの第一歩と言えます。

このように、新しい時代の中をリーダーとして生き残っていくために”状況認識”は必要なのです。

状況認識は、どういったシーンで活かされるのか?

皆さんの記憶に近い新型コロナウィルスの事例でお話していきましょう。

2020年5月に、日本で初の緊急事態宣言が発令しました。

日本中がパニックとなり、使い捨てマスクは生産が追い付かず、トイレットペーパーやティッシュは買いだめが起こり、購入できない人が発生する事態に陥ってしまいました。

しかし、本当にこの現象は発生せざる状況だったのでしょうか。

マスク=使い捨てマスクという認識

トイレットペーパーやティッシュ=生産が追い付かず買えなくなるのではないか?という認識

実は、それぞれが正しく”状況認識”できていなかったのです。

ただし、1~2ヵ月後、多くの日本人の下記のように認識が変わりました。

マスク=洗って使えるマスクを自分で作れるという認識

トイレットペーパーやティッシュ=一時的に品薄になるかもしれないが、一人一人が買いだめしなければ購入できるという認識

そして、3~4か月後にはコロナ禍による新しい生活スタイルになったものの、今までと同じような生活になっています。

この事象で大切なことは、パニックの中でも状況認識を正しく行い、粛々と活動していた人々がいたということです。

このように、目の前の情報だけに囚われるのではなく、より広範囲の視野や高次元の視点を持ちつつ、現状を分析し理解していく力、つまり状況認識のスキルは、不確実な状況下の中でより発揮されるのです。